いびきで悩まれている方へ

いびきとは、睡眠時の呼吸に伴って鼻や喉(主に空気の通り道の狭い部分)で発生する呼吸音です。
男性と女性では、一般的に男性の方が女性よりも2倍程度多いとされています。
いびきには、大きく「単純性いびき症」「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の2種類があります。

単純性いびきとは、疲労や鼻づまり、飲酒、風邪を引いたときなどが原因となる一過性のいびきです。睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは異なり、無呼吸状態を伴うことは少なく、大きく健康を害することもありません。基本的には原因を取り除くことで症状は改善されます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠時に低酸素状態や無呼吸状態になります。放置してしまうと症状は悪化し、合併症として重病に繋がったり、交通事故などしばしば社会問題に繋がることもあります。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、放置してしまうと自分だけでなく、他人の人生も狂わしてしまう可能性もあるため、早期発見・早期治療が大切になります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群=Sleep Apnea Syndrome(SAS)とは、睡眠時に無呼吸状態が繰り返し起こる病気、つまり眠っている間に呼吸が止まっている状態のことです。医学的には、無呼吸状態(10秒以上呼吸が止まる状態)や低呼吸状態が、1時間あたり5回以上繰り返される状態と定義されています。

症状は仰向け状態では大きくなり、腹ばいや横向きでは症状は軽くなります。呼吸が止まるたびに睡眠は浅くなり、「日中の眠気」「起床時の疲労感」「倦怠感」を感じるようになります。症状が続くと、胃酸逆流や睡眠時の心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすこともあります。

睡眠時無呼吸症候群は肥満いびきに関連が深く、身の回りの方ははらはらしますが、睡眠中の症状なので本人の自覚症状は乏しいのが特徴です。

成人の約20%が罹患していると言われています。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、QOL(生活の質)に大きな支障をきたす可能性のある身近な病気です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、大きく3種類に大別されます。
最も多いのが肥満や生まれつき喉が細かったりすることにより、上気道(気道の上部)が塞がることが原因となる閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)です。その他、脳や神経などの異常が原因となる中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)と閉塞性と中枢性の要因が複合的に見られる混合性睡眠時無呼吸症候群があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因

睡眠時無呼吸症候群(SAS)には大きく3種類のタイプがあり、それぞれ原因が異なります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)

上気道に空気が通る十分なスペースが確保できないことによって呼吸が止まるタイプの睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。
睡眠時無呼吸症候群の方のほとんどが閉塞型です。
上気道のスペースが確保できなくなる理由は、肥満による気道周りの脂肪、扁桃肥大やアデノイド肥大から舌の付け根が大きく落ち込む、下顎が小さいなど体格や骨格的な要因が挙げられます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因

中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)

人間の脳には、呼吸中枢と呼ばれる呼吸を調整する部位があります。
この呼吸中枢の働きによって、日常生活において特に意識することなく、呼吸ができます。

心不全は、高血圧や心筋梗塞、心筋症などにより心臓の働きが低下すると全身に十分な血液を送り出すことができなくなります。
心不全の方の約3割程度が中枢性睡眠時無呼吸があると言われていますが、睡眠時無呼吸のうちこのタイプは数%となります。

子どもも睡眠時無呼吸症候群(SAS)になる?

こどもの睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、成人特有の病気というわけではなく、子どもでも発症することがあります。

小児期の良質な睡眠は、心身の発達にも大きく寄与しますので十分に注意しておく必要があります。
通常子どもが大きないびきをかくことはありません。子どもが大きないびきをかく原因としてはアデノイド肥大、扁桃肥大、鼻つまり、肥満などが挙げられます。いずれの場合も気道が狭くなることによって十分な空気の通り道が確保できず、いびきや無呼吸が起こります。

お子さまが大きないびきをかいている場合には、早めに耳鼻咽喉科の受診することをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状

いびきをかく男性

よくある症状

☑︎いびき
☑︎日中の眠気や居眠り
☑︎日中の疲労感
☑︎
不眠症
☑︎
起床時の喉の痛み
☑︎
起床時の頭痛
☑︎
集中力の低下
☑︎
夜中にふっと目覚める
など

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠気やそこから来るストレスなどにより、日中のパフォーマンスの低下をもたらすだけでなく、低酸素状態の持続により、不整脈や心筋症などの心臓病、脳梗塞などの病気の発症リスクを上げます。上述のような症状をお持ちの方は、まずはご受診されることをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査

検査の流れ

STEP1:問診・外来


まずは問診で日中の眠気などの自覚症状、いびきや無呼吸の有無、既往歴(病歴)についてお伺いします。
就寝中のいびきの有無や程度は、ご自身で把握しきれないない部分がありますので、必要があればご家族の方やパートナーの方と一緒にご受診をお願いします。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合には、睡眠中の検査を実施します。

STEP2:検査を受ける


睡眠時無呼吸症候群の検査では、眠っている状態で行う必要があります。ご自宅でできる簡易検査と専門の病院で入院して行う検査の2種類がありますが、ほとんどのケースでまずご自宅でできる検査を行なって頂きます。
鼻や指先にセンサーをつけて普段通り寝て頂きます。手指のセンサーは寝ている間の脈拍数、酸素濃度を測定し、鼻の下のセンサーでは気流やいびき音を調べることによって睡眠時無呼吸症候群(SAS)の判別を行います。
より詳しい確定診断が必要と判断される場合には、病院で1泊の入院をして頂き、より詳細を調べるための精密検査を受けて頂きます。(当院では、入院なしでの検査が可能です。)

STEP3:治療方法の決定・治療開始


治療結果にもとづいて、治療方法を決定します。
無呼吸の症状が認められ、適応検査の基準に達した場合、ご本人様の同意のもと治療を開始します。

スクリーニング検査(簡易検査)

精密検査(PSG検査)

通常、精密検査は一泊二日の入院検査となりますが、当院では提携会社よりPSG検査機器の貸し出しを行いますので、ご自宅での検査が可能です。
PSG検査機器をご自宅に郵送し、届き次第ご自宅で装着、返却、解析を行なっています。
検査の上、AHI(無呼吸指数)で規定値を満たす場合には、保険適用でCPAPを受けて頂くことが可能となります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療

CPAP療法

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療では、重症度に応じて治療を選択を行いますが、その前に誰にでも実施できるものとして生活習慣の改善が挙げられます。人によっては、生活習慣の改善だけで睡眠時無呼吸が減ることもあります。具体的には、「寝る姿勢の工夫」「減量」「禁煙」「寝る前の飲酒を控える」などがあります。


寝る姿勢の工夫
仰向けで眠る場合、身体全体に下に向かって重力がかかりますので、舌根が気道に沈み、空気の通り道を塞いでしまいます。
眠っている間に気道を塞がないように横向きの姿勢で寝ることによって症状が改善される場合があります。

減量
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因の一つになるのが肥満です。肥満による脂肪沈着が空気の通り道を悪くしてしまうことが要因です。
規則正しい生活と適度な運動を行い、適正体重を維持することが大切です。

禁煙
喫煙は上気道の空気の通りを悪くする要因になります。
喫煙者は非喫煙者と比べて睡眠時無呼吸のリスクが高くなることが分かっています。


寝る前の飲酒を控える
アルコールは上気道の筋肉を弛緩させ、筋肉の活動を抑制させます。その結果、舌が喉に落ち込みやすくなり、空気の通り道が確保しづらくなります。日本人は寝酒習慣がある人が多いと言われていますが、寝る前のお酒は睡眠に悪影響を与えることが分かっています。

マウスピース

マウスピース

軽症から中等度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対して行う治療で、寝ているときに装着するため、スリープスプリントと呼ばれれます。
寝ている間にマウスピースを装着し、下顎を上顎より前方に出るように固定させることで空気の通り道を広げ、いびきや無呼吸の発生を抑えます。
軽症から中等度には一定の効果が認められますが、重症の方には治療効果が不十分と言われています。
治療は保険適用となります。

CPAP療法

CPAP療法

CPAP療法は、持続陽圧呼吸療法ともいい、装置から管やマスクを介して空気を送り込み、気道を押し広げ、十分な空気の通り道を確保する治療法です。
適切に治療を行うことで、睡眠中の無呼吸やいびきが徐々に減少していきます。それに伴い熟睡感が得られ、朝もスッキリと目覚められるようになります。
最初はマスクを装着して寝ることに違和感があったり、慣れるまで時間がかかったりしますが、毎日の継続により徐々に慣れていきます。あくまでCPAP療法は、無呼吸になりやすい状況を根本的になくす治療ではなく、使用を中止すると元の状態に戻ります。CPAP療法は継続することが大切です。治療は一定の条件を満たすことで保険適用となります。

外科的手術

睡眠時無呼吸の症候群(SAS)は、呼吸の際に上気道という空気の通り道が狭くなることが原因となります。上気道のうち狭くなりやすい部位は「鼻腔」「のど」の2種類があり、鼻腔の場合は、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症の頻度が高く、のどの場合は、扁桃肥大・アデノイド肥大、口蓋垂(のどちんこ)と口蓋垂粘膜が低かったりすることによって空気の通りが悪くなることが原因として挙げられます。
鼻腔を拡げる手術としては、下鼻甲介骨切除術や鼻中隔弯曲矯正術などの術式を用います。咽頭を拡げる手術は、軟口蓋形成術(軟口蓋(のどちこん)を切除し、咽頭を拡げる手術)が一般的ですが、合併症が認めらることが多く、当院では採用しておりません。当院では、舌の付け根の手術としてタングベルトという術式を用います。

当院の短期滞在(日帰り)手術について

短期滞在(日帰り)手術

 1.全身麻酔下で安全かつ痛みや恐怖感に配慮した手術

 2.短期滞在(日帰り)手術により早期の日常生活への復帰が可能

 3.手術の「経験」と「技術」共に豊富な医師が全て執刀します

 4.経験と技術を活かす診断設備および手術設備を設置

 5.手術は基本的に保険適用、日帰りで経済的負担も軽減

診療時間・アクセス

診療時間 日・祝
10:00〜13:00
15:30〜19:00

:耳鼻咽喉科・アレルギー科・皮膚科
:耳鼻咽喉科・アレルギー科(皮膚科は休診)
休診日:木曜・日曜・祝日

※初診受付は各受付時間終了の30分前までにご来院下さい。
※皮膚科の午後診療は17:00からです

地図

住所
〒541-0043
大阪市中央区高麗橋1丁目7番3号 The Kitahama PLAZA 3F

アクセス
・京阪本線「北浜」駅徒歩3分
・地下鉄鉄堺筋線「北浜」駅南改札口4番出口直結
・大阪メトロ御堂筋線11番出口徒歩5分
・阪神高速道路1号線環状線本町出口約500m